性行為で感染する病気、いわゆる性感染症は数多くあります。
代表的なものだけで見ても膣炎や尿道炎などの性器周りに炎症を起こすものや、HIVや梅毒といった放置すると命に関わるものまで多岐にわたります。
膣炎の代表的なものに膣カンジダ症があります。
常在菌でカビの一種である真菌のカンジダが病原体となって異常繁殖して炎症を起こすもので、性行為がきっかけになって発症することもあります。
カンジダそのものは空気中や口腔内にもいるありふれた微生物なので、もちろん性行為がなくとも発症します。ただし、発症している場合には性行為によってパートナーに感染させる可能性があるので注意が必要です。

膣炎ならトリコモナスによるものも代表的なものと言えるでしょう。
こちらは男性が気づきにくいということもあり、主に性行為で感染しますが海外などでいえば、公衆浴場やプールなどでの感染も皆無ではありません。
女性のおりものの異常の原因としては最も多いものと言えます。また、トリコモナスの場合尿道に炎症をおこすことも少なくありません。

尿道炎で代表的なものといえばまず淋病が挙げられるでしょう。主に淋菌という病原菌を持つ相手との性行為によって感染します。
男性の場合淋菌性尿道になると排尿時に激痛が走ったり、性器から膿が出たりします。またこの淋菌が目に入ると淋菌性結膜炎になります。
尿道炎を含む性感染症の原因で多いのがクラミジア感染症と言われています。
クラミジアの症状はあまり重症化しない特徴をもつのですが、 放置すると女性の場合膀胱炎、男性の場合前立腺炎などに進行する場合も少なくないので特に注意が必要です。

その他HIVや梅毒などはかつては不治の病でしたが、医療の進歩で日常生活に問題ないくらい回復できるようになりました。
梅毒は完治が可能ですし、HIVも発症をほぼ完全に抑えられるので30年~40年の平均余命があります。とはいえ、放置は命に関わりますので通院が必要です。

膣トリコモナスと膣カンジダの違い

初期の特徴としてはおりものが急に増えるということが共通して現れます。
炎症による膣や外陰部のかゆみなども共通していますが、細かく色々な点で違いがあるのでこれらを比較することでカンジダ症なのか、トリコモナス症なのか、ある程度は予想をつけることができます。

まずカンジダ症の場合にはおりものが酒粕やチーズの様なポロポロとしたものがまざったりします。
また匂いもそのような感じの発酵臭に近い匂いがします。何よりも常在菌が原因なので免疫の低下やホルモンバランスの変化、ビタミン不足などによっても起こりえます。
この原因になるカンジダは酵母などにかなり近いカビの一種で粘膜内に普通に存在するものだというところが、病原体としてみたときの一番の特徴かもしれません。

一方のトリコモナスの場合、このおりものの匂いがあきらかに違います。
チーズなどの発酵臭というよりは、腐敗臭のような強烈な悪臭になることも少なくありません。おりもの自体も白いものが混ざると言うよりも膿状の黄色い濃いものが多いです。
さらに進行していった場合血が混じったりし排尿時に強い痛みが出る場合もあります。
これは尿道にも炎症を起こすという特徴を持っているためです。自分で感じることができる違いとしては一番わかりやすいものかもしれません。

病原体としてはトリコモナス原虫という微生物が原因になります。感染が起こるためには接触が必要なので、日本国内に限ってみればほとんどの場合、性行為によって感染しています。
同じ膣炎とは言うものの、細かく比較するとこれだけ違います。
もちろんお医者様などの専門家の判断なしに、素人が簡単にわかるものでもありません。なにか異常を感じたときは、早めの診察をどうぞ。